見えない熱の世界を可視化する技術、サーモグラフィーについて解説

・サーモグラフィーとは何か良く分からない
・サーモグラフィーの開発技術が何か知りたい
・サーモグラフィーが何に活用されているのか知りたい

本記事はこれらの疑問点についてお答えしたいと思います。

サーモグラフィーとは?

サーモグラフィーとは、物体から放射される赤外線を検出し、温度分布を可視化する技術です。
赤外線は、すべての物体から放射されており、その強さは物体の温度に比例します。

サーモグラフィーカメラは、この赤外線を感知し、温度の高い部分を暖色系(赤色など)、低い部分を寒色系(青色など)で表示することで、温度分布を画像として捉えます。

サーモグラフィーの仕組み

  1. 赤外線の検出: サーモグラフィーカメラは、赤外線センサーを使用して、物体から放射される赤外線を検出します。
  2. 信号処理: 検出された赤外線信号を電気信号に変換し、画像処理を行います。
  3. 温度への変換: 電気信号を温度データに変換し、温度分布を画像として表示します。
  4. 画像表示: 温度分布を色で表現し、温度の高い部分と低い部分を視覚的に確認できるようにします。

サーモグラフィーの歴史

サーモグラフィーの起源は、19世紀にまで遡ります。

しかし、実用的なサーモグラフィーカメラが登場したのは、第二次世界大戦後です。当初は軍事目的で開発されましたが、その後、産業分野、医療分野、そして近年では一般消費者向けにも普及が進んでいます。

サーモグラフィーの活用事例

サーモグラフィーは、様々な分野で活用されています。

  • 産業分野:
    • 設備診断: 機械の異常発熱検知、断熱不良箇所の特定
    • 建物の診断: 熱橋の検出、断熱性能評価
    • 電気設備の点検: 過熱部分の検出
  • 医療分野:
    • 体温測定: 非接触で体温測定
    • 炎症の診断: 患部の温度上昇を検出
    • 血管の観察: 血流の観察
  • 防災:
    • 火災検知: 初期段階の火災を検知
    • 熱源探査: 人命捜索
  • その他:
    • 動物観察: 動物の体温分布を観察
    • 食品検査: 食品の温度管理
    • 建築検査: 建物の熱損失の確認

サーモグラフィーのメリット

  • 非接触測定: 物体に触れることなく温度を測定できる
  • リアルタイム計測: 温度変化をリアルタイムで観察できる
  • 広範囲の温度測定: 広範囲の温度分布を一度に確認できる
  • 高精度な測定: 高精度な温度測定が可能
  • 可視化: 温度分布を視覚的に確認できる

サーモグラフィーのデメリット

  • 環境の影響: 湿度、埃など、環境条件によって測定結果が影響を受ける
  • 放射率: 物質の表面状態によって赤外線の放射率が異なるため、補正が必要
  • 高価な装置: 高性能なサーモグラフィーカメラは高価

最後に

サーモグラフィーは、赤外線を利用して物体の温度分布を可視化する技術です。
非接触で温度を測定できるため、様々な分野で活用されています。
近年では、技術の進歩により、より高性能で安価なサーモグラフィーカメラが登場しており、その利用範囲はますます広がっています。

弊社豊田通商システムズでは、SoundGraphyという製品を販売しております。

SoundGraphyは、「いつでも」、「どこでも」、「誰でも」をコンセプトに開発された、音を可視化できる小型の音響カメラです。センサー本体の球体内に内蔵されたマイクロホンとカメラで、音をサーモグラフィーの様に可視化することが出来ます。

例えば、下記のようなシーンでご活用いただくことができます。

◆ 工場や製品から変な音が聞こえるけど、発生源がよく分からない…。
   ⇒ センサーが球体になっているため、様々な方向の音源が探索可能!
     音を可視化、画像や音付き動画を作成し、その場でも、オフィスに戻ってでも確認可能!

◆ 異音の発生場所まで探索機を持っていけない…。(例:車の中のような狭い場所、複数の場所から音がする)
   ⇒ 小さな機体に16個のマイクと1つのカメラが内蔵されており
     乾電池(単3×4本)やモバイルバッテリーで動作するため、コンセントが無い現場でも使用可能!
    その場でリアルタイムに分析!

下記に製品HPや動画がございますので、気になる方は是非確認をお願いいたします!

▼SoundGraphy 製品Webページ

▼SoundGraphy紹介動画